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タクシー求人サイトの上手な活用

最終更新日 2021年3月8日

監修・著者 株式会社しごとウェブ 佐藤 哲津斗

タクシー運転手という職種は今、とても注目を集めている職業となっています。

以前は大学を卒業した新卒の学生がタクシー会社に就職することは、とても珍しいことでした。

理由は単純に、それほど魅力がなかったからです。しかし今や、大手が150人の採用枠を作ったところに200人以上が応募してくることも珍しくないほど、新卒の大学生にも人気の職種となりました。

当然以前よりも脱サラをして中途採用を目指す20代、30代も非常に多くなっています。中には40代や50代の方でも一大決心して前職を退職し、タクシードライバーとしての第二の人生を始めた方も少なくありません。

全くの未経験でも受け入れられるという特性や、努力次第で高い年収が得られるというポテンシャルも非常に魅力的に映るのでしょう。自分の時間を多く持てるということもあります。

新卒の大学生には直接求人が学校に届くのですが、では中途採用を狙う社会人組はというと、自分で求人を探して応募する必要が出てきます。そのような時に、どうやってその会社の情報を入手し、その会社の評価についての判断が可能になるのでしょうか。

会社が出す求人広告だけでは、情報が圧倒的に足りないということもあります。そのような時に利用できるのが求人サイトの存在です。

とりわけタクシー会社への転職をサポートに特化したサイトは、タクシー求人において非常に有効です。ではそのようなサイトを上手に活用するためにはどの様にしたら良いのかについて、見てみましょう。

実際に活用する利点

タクシー会社は海の砂粒のごとく数多く存在しており、当然各社それぞれの給料体系や福利厚生があり、また同一のグループ企業であってもその中の営業所ごとにさらに細かく規定が分かれていたりします。

タクシー運転手になりたいと思っても、それぞれの会社の特色を十分に調べることはかなり難しいものがあります。

また売上額にも大きな違いがあり、それはそのまま社員の給料の多い、少ないにも直結する情報です。しかし一般人がそれぞれのタクシー会社の年間の売上額や社員の平均年収などについて、自力で調査することは現実的ではないでしょう。

特に東京都内には400を超すタクシー会社が存在し、30000台を超えるタクシー運行されています。ちなみに1万台を超えているのは東京の他に、大阪約15000と北海道約10000のみというデータがあります。

大手や中堅と呼ばれる会社でも沢山の選択肢があり、これらの情報を自分一人で調べることは到底不可能です。

名前を覚えることすら難しいでしょう。そのような時に、求人サイトという存在が非常に便利です。勿論、掲載している情報は、タクシー会社の名前や求人情報だけではありません。

会社が社員のために用意している福利厚生サービス、資格取得のためのどんな支援制度があるのか、また会社全体の年間の売上からそれぞれ各自の平均年収までほぼ全ての情報を持っています

直接面接にいってもお金や給料の仕組みに関しては中々質問しにくいという方も沢山いることでしょう。

それはごく自然なことです。相手の面接官に、「お金の話ばかりをするやつ」という印象を持たれることも避けたいものであり、それ以外の福利厚生に関しても中には質問しにくい項目もあります。

しかし、これらの転職サービスサイトはそのような情報をあらかじめ伝えることが出来るという部分もウリにしているため、安心して情報を入手することが出来るでしょう。

またどんな仕組みで働くことが出来るかという情報も非常に重要です。タクシーは基本的に年中無休で24時間稼働し続けるものです(明け方の時間はほとんど見なくなりますが)。

そのため、勤務体系は通常の他の仕事とは大きくことなります。土日などの週末が休みになるかどうかは置いておいて、一番多い勤務体系は日勤と呼ばれるもの。朝から夕方までの8時間働くことです。そしてその後に夜勤が夜の時間帯を受け持ち、また日勤に戻すというものは想像できます。

しかしタクシー会社が一番多く採用しているシステムは隔日勤務というもの。つまり、早朝に出社してそのまま21時間程度タクシーに乗り続けるというスタイルです。

まる1日その車を一人の運転手が担当するのです。そしてその次の日は法律で定められた休日を取るという方法(法律では、まる1日働いた方は次の業務までに最低20時間を置くよう定められている)。

会社によってさらに細かい規定が沢山ありますから、その会社に入ったら自分はどんな働き方をするのかの心の準備をするためにはこのような情報もしっかりと得ておく必要があるでしょう。

利用する際の注意点

求人サイトは非常に便利な存在であることは確かですが、全国全てを「詳しく」網羅しているサイトはそれほど多くはありません。

特にタクシー会社への転職をサポートするようなサイトであればなおさら、縄張りとは言わないまでも自分が得意とする地域を持っていることは確かです。

例えば大阪などの関西圏で働きたいと思っているのに、たまたま適当に調べたサイトが東京圏に強いサイトだったら…。それでも何社かの情報は持ち合わせているかもしれませんが、実際に関西圏に非常に強いサイトと比べたら情報量にも、そしてその質にも差が出てしまうのは当然でしょう。

サイト内で自分の望む地域を指定できるサイトもありますが、それはあくまでサイトが持っている情報をフィルターにかけて見つけやすくするというだけなので、その選択肢があるからといってその地域に強いという証拠にはなりません。

ではどうすれば良いのかというと、単純にいくつもの求人サイトを当たってみて最も情報の多い所を見つけるか、もしくは望む地域と「タクシー」、「求人」「支援サイト」という単語を抱き合わせてインターネットで検索する方法があります。

出てくるサイトをすぐにクリックするのではなく、もう少し下に行くと出てくるインターネット内での質問サイトやブログなどに出てくる様々な人々の情報を少し見てみるとよいかもしれません。「自分はここでいい仕事を見つけれた」であったり、「ここはダメだ」という情報も確認してみてください。

必ず「ダメだ」という結果だけではなく、なぜダメだと思ったのかにも注目しましょう。もしかしたら自分には全く関係のない理由でダメだと思ったかもしれないからです。

またサイトによっては「掲載型」と呼ばれる、会社からの情報をそのまま載せて各自がチェックして連絡するスタイルと、「ヒアリング型」と呼ばれる担当者と話しながら自分にあった会社を探せるスタイルがあります。

掲載型はアルバイト情報サイトなどでも一般的な方法です。素早く自分に合う会社を自分で探して連絡するので、すぐに働き始めたい方に都合の良いスタイルです。

ヒアリング型は一度、申し込みをして話を聞きながら探すタイプなので、じっくりと探したい方には好都合でしょう。

どんなスタイルが自分には合っているのかを考えて使うサイトを調べる必要があるでしょう。ちなみにヒアリング型では、自分が向こうの会社に聞きたいと思っていても中々直接には聞けないような(例えばお金のこと、福利のことなど)も安心して聞くことが出来ます。

掲載型は時に情報が古かったり、少し金額が間違っていて応募した後にそれが発覚することもあるので注意が必要ですが、ヒアリング型にはその問題はありません。

特に初めてタクシー業界に飛び込むのであれば、時間と余裕があるとしたらヒアリング型の方がオススメです。

なぜドライバーになりたいのかを明確に

自分がなぜタクシードライバーになりたいと思ったのかを明確にしておくことも、上手に自分にあった会社を探す上で助けになるでしょう。

タクシー会社はそれぞれ他社と比べても自慢できるポイントを持っていて、それをウリにして社員を獲得しようと動きます。

中々全てが揃って他社よりも秀でているというタクシー会社は無いので、自分がどんな面を一番重要視しているのか、どんな点に心配しているのかといった部分をはっきりさせておくと良いでしょう。

もしヒヤリング型のサイトでお願いしたいと思うのであれば、そのような好みがハッキリしている方が向こうの担当者も割り切って当人にあった会社を探してくれるでしょう。

例えば何よりも収入のアップを狙いたいという方であれば、担当者はそれに合わせて歩合の割合の高い会社を探してくれるでしょう。基本的にドライバーは売上のうちの50%~60%をもらうことになります。

当然その割合が高ければ高いほど給料も上がります。ではその割合が高い会社が誰にとってもいい会社かと言えば、そうも割り切れないところがあります。例えば他の方は、家族のために日勤制度を採用している所がいいと考える方もいるでしょう。

朝から夕方までのスタイルで、しかももし土日に休みが欲しいという方はその希望を明確に伝える必要があるでしょう。また、自分の趣味の時間を沢山持つためにタクシードライバーになりたいと願う方もいます。

上述した通り、隔日勤務を選ぶと普通の方の2倍から2,5倍の時間を一回の勤務で働くことになるため、その分休日が他の職種よりも増えるからです。

基本的には11日勤務、それ以外の19日から20日間は全て休日となります。趣味に生きたい!と願い、しっかりとした収入を最低限度の出勤日数で稼ぎたいと思うのです。

中には副業でユーチューバーとして活躍するタクシードライバーもいます。仕事が休みの時にはすぐに荷物をまとめて日本各地の山を登山して回っている方、夫婦での温泉巡りを趣味にしている方、ひたすら家でゲームに打ち込む方など、その時間の用い方は様々です。

会社によってはクラブ活動を援助している所もあるため、もしかすると同じタクシー会社の中に共通の趣味をもつ友人を得るという機会も増えるかもしれません。

また、それほどお金も欲しくないし時間も必要ないけど、とにかく充実した福利厚生サービスを得て安定した生活がしたいと思う方もいることでしょう。

確かにタクシー会社の福利厚生サービスは平均的に非常に恵まれています。ただもし安定を願うのであれば、さらに「何か重大なことが起こった時」のサポートに関しても十分に理解しておく必要があります。

例えば仕事中に事故を起こしてしまった時。会社によっては多少の罰則を用意している場合や、反対に運転手にはまったく経済的な補填を求めないという会社もあります。

傾向としては経済的補填を求めない会社はその分最初から歩合給の割合を低めに設定していることが多いようです。ただ安定と安心を求めるのであればそこには目をつむることが必要でしょう。

そうなると自分の会社で整備工場も併設して所持しているような大手のタクシー会社の方を選択肢として持っていくことになるかもしれません。何が自分にとって一番重要なのか、よく考えて決定しましょう。

自分にあった会社を選んで楽しく働こう!

タクシードライバーという仕事は、仕事に自分の人生を合わせるという類の仕事ではなく、自分の人生に合わせた働き方が出来る職種といえるでしょう。

自分の人生を好きに生きるために、これほど適した仕事も中々見つけることは難しいでしょうし、もしあったとしてもタクシードライバーほどに門戸は広くありません。

ですが自分にあった会社を見つけることが出来たとしても、その先の働き方はやはり自分次第です。プライベートの時間を自分の好きに生きるためにはやはりある程度の収入も必要でしょう。

実は、就職後もしばらく色々なサポートをしてくれる会社も多々あります。

どのように稼ぐことが出来るのか、どんなコツがあるのかを、沢山のタクシー会社との取引で得てきた、山のような知識をバックに教えてくれるのです。

これらの情報をいかに自分のものにしていけるかという事も、タクシードライバーとしてさらに羽ばたいていくカギとなるのです。

就職後に楽しく働き続けれるように、まずは自分にあった求人サイトを見つけ、そして自分が求める条件をはっきりと決め、良いコミュニケーションを取って後悔のない決定が出来るようにしましょう。


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