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ADHDだけどタクシー運転手の仕事は性に合っていて続いている

最終更新日 2021年3月8日

監修・著者 株式会社しごとウェブ 佐藤 哲津斗

私はADHDという軽度の障害のようなものと診断されているのですが、車の運転と話しながらの接客などはできるため、タクシードライバーになりました。大型トラックのような長距離、高速で運転して移動するのは無理ですが、タクシーのように地元でのんびり働けるタクシードライバーならば私でもできます。

 

タクシードライバーは安全運転ができればいい

運転免許取得と交通ルールが守れればいい

タクシードライバーの仕事をするためにはまず、二種免許を取得していないといけません。3年ほどは車に乗っていることや、試験に受かること、交通ルールをきちんと守ることなど条件はいくつかありますが、普通の運転免許を取得できていて、地元で長く生活しているような場合はすぐにでも二種免許取得を目指せます。

 

ADHDがあっても原付からはじめて、普通の車、二種免許と少しずつステップアップして運転できるようになり、最初は家族だけ、少しずつ友達も乗せて走るようになって、今はお客さんを乗せて走れるようになっています。車の運転や接客は慣れなのと、車内でのトークはむしろ得意なので天職とも感じます。

 

接客と運転は簡単にできる

私が勤務したタクシー会社は地元の会社なため、研修を受けなくても裏道も大通りもよく把握することができていて、すんなり働き始められました。元々よく走っていた事、原付で散策程度に道を知っていたこともあり、本職のタクシードライバーよりも一部の地域では詳しい状態で、地理に関するテストはすぐに合格でした。

 

私の場合、よくおしゃべりできるけれど、相手の興味、相手への気遣いがあまりできない性質のADHDです。そのため、タクシードライバーをしている時も歌を口ずさんだり、ずっとなにか喋っていたりしてしまいますが、お客さんはむしろそれが楽しいとか、おもしろいと思ってくれていて私にとっては天職です。

 

接客で気をつけるのはお客さんを乗せて行き先を告げてもらうときとお客さんを降ろす時くらいで、あとは自由に喋ったり、歌ったりすれば良いので非常に楽です。しかも、最近は配車依頼をアプリで出してくれるのでお迎えも簡単で現場に行けばだいたいお客さんがいて、支払いまで電子決済になっていたり、チケット制で面倒なことなくやり取りできます。

 

この仕組みであればお金の計算ミスをすることもありません。もちろん、現金で支払ってくれる方もいますが、電卓のようなもので計算できるのでミスが起きることもほとんどないです。何度か計算を間違えたことはありますが、お客さんときちんとお話しながら接客していたためか、怒られるようなことにはならず優しく指摘して教えてくれて解決しています。

 

土地勘があったのが良かった

不注意でも土地勘があれば問題なし

ADHDは簡単に言えば物忘れが多く、不注意が多く、他人に気遣いもできないといった感じですが、タクシードライバーの仕事でいちばん大切なのは目的地にたどり着けることです。車を走らせるのは簡単で、安全運転も問題ないため、あとは簡単な接客部分だけです。

 

私の場合は土地勘が合ったので、接客に集中できて、お話好きだったので接客でもトラブルになるような事はありません。土地勘があり、裏道やショートカットも使えるため、急ぎの方やビジネスマンの方からな名指しで呼んでもらえることもあり、とてもありがたい状況で働けています。

 

長くコツコツ継続するのが苦手

ADHDなのが関係あるかどうかは分かりませんが、長くコツコツ継続するのがどうしても苦手なため、工場やクリーニング店、コンビニ店員やレジ打ちのような仕事はいまいち続きませんでした。タクシードライバーの仕事は注意が散漫になる、逆を言えば、注意があちこちにいかないといけないので逆に向いていたのだと思います。

 

タクシーの仕事は毎回新鮮で新しい依頼を受けて解決していくことになります。活用する技術や知識は同じでも、お願いしてくれる人、行く場所が毎回違うので飽きることがありません。それでいて難しすぎる要求をされることもあまりないのであっさりクリアできて、飽きることなく継続できています。

 

言い換えれば勉強ならば試験勉強、ゲームならばレベル上げをするような仕事は私には向いていないですが、一回一回のノート作りや、ゲーム内での探索、ミッションクリアなどはスキルに応じて難なくクリアできる感じです。タクシードライバーは私にとっては天職でした。

 

向いていない人もいるみたい

タクシードライバーの仕事をしていると仕事を始めてもすぐに辞めていく人、1年、2年経って辞めていく人にも出会います。地道に毎日、毎月歩合制の利益のために仕事を積み重ねていくのがきついという人や、孤独に働くのが嫌だという方がほとんどです。

 

私の場合、地元なのでタクシーの中で孤独でいても何も不快ではなく、むしろ心地よく、いちいち仕事をどれだけしたか数えていないので、毎月のほほんと仕事をこなしていたら歩合制の給料もアップしているという感覚です。気になってしまう人にはこのスタイルの働き方はきついかもしれません。

 

孤独でも問題なく、細かいことを気にせずにドライバーとしての仕事をただただこなすだけで良いので、気の持ち方が分かってしまえばとても楽に働けるはずです。無理に生活レベルをあげなければお金が足りなくなることはないので収入面もそれほど心配なしです。

 

収入面は固定給が結構な金額もらえるので、その固定給で生活できるくらいのレベルを維持しておけば毎月かなりの余裕があります。一人暮らしをするには十分なお金を稼げるので決して辛いこともありません。向き不向きはあるようですが、向いている方ならば何も心配なくできる仕事です。

 


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