東京都内のタクシー会社が高待遇な理由とは
最終更新日 2021年3月8日
監修・著者 株式会社しごとウェブ 佐藤 哲津斗
タクシー会社は日本全国どこにでもありますが、とりわけ都内を本拠地をするタクシー会社の求人は高待遇として知られています。
そのため、地方からの就職者がタクシー業界に飛び込んでくるケースも少なくありません。
では、なぜ高待遇での採用が可能になっているのでしょうか。その理由の一つが、売上をたくさん出せる場所だからという事が言えます。
多く稼ぐことによって、それだけ会社の利益となり、福利厚生の充実や給料のアップに繋がっていくわけです。
とくに給料の面でいうと、地方との差は歴然です。日本全国のタクシードライバーの年収平均は300万円です。しかし都内だけを見たタクシードライバーの年収データは、400万円となっています。
しかも日本全国に35万人前後いる従業員登録者数に対し、東京におけるタクシードライバーの数は9万人となっています。
これは決して少ない数ではなく、各県平均では7000人となっており、かなりの数の乗務員はこの地域で働いていることになります。
これだけの人員が集まっているにも関わらず、年収平均は日本全国の平均よりも100万円も多いのです。これはなぜなのでしょうか。やはりその理由は、人口の多さというのが圧倒的な理由でしょう。
タクシーは乗客を乗せて利益を出す商売なので、とにかく乗客に利用してもらわないことには話になりません。公共の乗り物が主な移動手段となっている都内にあって、タクシー需要はとりわけ大きいものといえるでしょう。
従業員が多くても日本各地のタクシー利用者を遥かに凌ぐ利用者がいるため、売上を伸ばすことが可能なのです。そのため、乗務員の働く待遇は、地方よりも断然よくなっています。
それらを踏まえると、タクシードライバーとして働くとしたら東京を拠点にする事は、非常におすすめと言えます。少しでも多く稼ぎたいとしたら、この地域タクシー会社を選びましょう。
昼間はオフィス街で稼げるので高待遇
ここは売上をどんどん出せるところなのですが、その理由は24時間いつでも稼げる点にあります。これは田舎の地方では難しいことでしょう。人が常に動いている地域ならではといえます。
ここでは日中を例に挙げてみます。都内において、日中は会社員や商売人が稼ぐために移動する時間帯です。とくに港区や新宿区といったオフィス街が集中している所では人が常に動いているので、タクシードライバーの稼げる場所と言えます。
とりわけ都心部に集まる方は、自家用車というよりもバスや電車やタクシーといった公共の乗り物を利用しています。これらの乗り物を上手に活用して移動を行っています。
しかしバスや電車は時刻表があって、決まった時間に乗り場へ向かう必要があります。もちろん決まった時刻で動いているので、計算して移動する限りでは便利な乗り物なのですが、自分の都合に合わせてくれるわけでないので、不便な面もあります。
しかしその点タクシーは街中を縦横無尽に走っているので、いつでも捕まえる事が可能で、さらに最近ではタクシーアプリが普及しており、自分のいる場所に来てくれるようにもなっています。
しかも、どこにいてもタクシーはやってくるので、自由に利用できる点でバスや電車よりも大変便利といえるでしょう。さらに、目的地もこちらが指定できるというメリットもあります。
自分の都合にぴったりと合わせてくれるのは、タクシーのずば抜けたメリットと言えます。少しオフィス街を走ると、すぐに利用者を見つけられる状況があります。
また人が多いため、乗せる頻度も多くなります。このように地方と違って、日中でも充分稼げる環境になっているため、乗務員は優遇され、待遇が良くなっているのです。
眠らない街で稼げるので高待遇
東京の乗務員の待遇が良いのは、日中稼げるからだけではありません。夕方から朝にかけての時間帯も、タクシー利用のニーズが常に存在し続けます。なんと、24時間いつでも稼げる状況があります。
そのため、当然個人の売上も大幅に伸びていくことになり、会社全体の売上も、地方のタクシー会社よりも多く売上を達成出来るようになっています。
このような背景も、乗務員が必要とされる状況を作り出している事になり、利益が上がり、待遇も良くなるという仕組みになっています。
例えば、仕事が終わった会社員は飲み屋街に繰り出すものですが、このようなお店が集まる場所は、タクシーが夜に稼ぐ絶好のポイントになります。
また深夜に仕事をしている方も多く、そのようなニーズに答えるタクシー業務もあります。さらに終電を逃した方を乗せるため駅に留まるというケースもあります。このように日付が変わっても人が常に動いているため、都心部では常にタクシー需要が発生し続けます。
もちろん地方でも飲み屋街はあって、深夜仕事をしている方もいらっしゃいます。しかし地方は自家用車で移動する方がほとんどです。さらに都心部が特殊なのは、その規模の違いです。
深夜になっても広範囲に渡って眠らない街と化しているため、タクシーを利用しないと移動できなくなるのです。
しかも電車は終電があるので、深夜になるとタクシーを利用するしか選択肢が無くなります。そのため、タクシー利用者は日中と変わらないか、それ以上の売上を実現できるほどです。
このような理由を考えてみても、働きがいがあって待遇も良いとなると、この地域がタクシー乗務に向いていると考えることが自然でしょう。
もちろん日中も稼げる状況があり、深夜から朝方にかけてどの時間帯で働くかを選ぶことも可能です。いずれにせよ、東京では、タクシー会社では高待遇が用意されているので、地方に比べて稼ぎやすい環境と言って良いでしょう。
長距離の利用者が多くて稼げる
日中のタクシー利用者も深夜から朝にかけてのタクシー利用者も、地方と違う側面があります。それは長距離の利用者がいるという点です。例えば都心部で働く方は、会社から一時間~二時間の距離に自宅を持っています。
しかし一日働いて飲み屋街に繰り出しと際に、終電を逃してしまうと帰れなくなってしまいます。近くのビジネスホテルに泊まるという方法もありますが、多くの場合自宅に帰る事を選ぶでしょう。
ホテル代を考えると、自宅に帰るためタクシーを利用した方が、出費を抑えられるでしょう。また都心部はエリアが広く、オフィス街はあちこちに存在します。お得意先に向かうために、中距離を走る必要が生じることもあります。
そのような時近くに駅があると良いのですが、そうではないことも多々あります。時刻表に間に合わないこともあるでしょう。そのため、タクシーを利用する事になるのです。
このようなことから、都心部で乗務員として働くことは、長距離の乗客を乗せる機会も増える事になります。当然乗客を乗せて長い距離を走る事になるので、売上も大きなものになります。短い距離で小さく稼ぐよりも、中距離や長距離の乗客を乗せた方が売上は大きなものとなります。
このような利用者を抱えられると、地方で働くよりも効率よく稼げるようになります。このような稼ぎは会社の利益となり、福利厚生の面で自分に還元されることになるわけです。
待遇の良い会社で継続して稼げるようになると、会社や本人にとってもwinwinの関係となり、より働きがいを感じられるようになるでしょう。
都市がいくつかある日本においても、都内は人の動くエリアの範囲が断トツで広いので、このような稼ぎ方はこの地域ならではと言えます。高待遇で稼げる場所と言ったら、やはり都心部であると言えるでしょう。
走らせて稼げるので高待遇
東京のタクシードライバーと地方のタクシードライバーの違いは営業方法にあります。
地方は人の動きが少ないため、営業所や駅やイベント会場などに留まって、乗客を待っていることがメインです。乗客を乗せずに車を走り続けると、燃料費が無駄に消費してしまうからです。
実際車を走らせていても、タクシーを拾う利用者はほとんどいないでしょう。皆自家用車で移動しているからです。しかし都内では、自家用車での移動者よりも公共の乗り物を利用する方の方が圧倒的に多いです。そのため、タクシーを走らせていると、タクシーを利用したいという乗客を見つけることが出来るのです。
このような点は、地方の大きいな違いになります。稼ぐための営業方法が全く違うのです。この営業方法は売上にどれほどの違いをもたらすのでしょうか。
駅や営業所で乗客を待つ営業では、とにかく乗客を待つ事になるので、主導は乗客にあります。自分の努力次第でいくらでも稼ぎが増やせるというわけではありません。
しかしタクシーを走らせる事、つまり流し営業は乗客を探す作業です。そのため、自分の努力次第で売上はいくらでも上がり続けるのです。努力がそのまま成果に現れるので、やる気には大きな影響を与える事になるでしょう。
どのようんにしたら乗客を乗せられるかについて、考えて運転しているので、主導は自分になります。このような違いは、会社自体の営業利益にも大きな違いをもたらす事は言うまでもありません。
そのため、とても稼げる場所と言えるのです。それによって、乗務員の待遇も良くなっていき、より一層働きやすい環境は整ってくるわけです。
地方や海外からの観光客が集まる
東京に拠点を置くタクシー会社の待遇の良さには、利用者の客層も関係しています。ファッションの中心地であり、流行の発信地でもあります。
また数多くの観光地があり、地方からやってる方々もたくさんいらっしゃいます。そのような方は、新幹線や高速バス、また飛行機でやってきます。
当然、住んでいるわけではないので、地理は詳しくありません。また複雑な電車の交通網を乗りこなすのは、在住の方でない限り、かなり難しいものがあります。
そのため、タクシーはてっとり早く目的地に向かうために、非常に適しています。その結果、乗務員には地方からの乗客と接する機会が増えることになります。これは、地方にはない特色と言えるでしょう。
大手のタクシー会社では、地理面の教育が充実しており、乗務エリアの知識も講習会でしっかりと教えられます。観光目的の乗客のニーズに応えられるように講習会が設けられている事は、タクシードライバー未経験者にとっても大きなサポートとなります。
また、この地域の独特な環境は、外国人を多く抱えている点にも現れています。様々な外国人は日本の首都に集まってきています。
そのような海外からの旅行者を受け入れるための講習会も充実しています。とくに中国語や英語の勉強会を設けているタクシー会社は少なくありません。
東京ならではの待遇と言えるでしょう。もし外国語を全く話せずに乗務していると、いずれ営業に支障が出てしまうことになります。
それだけ外国人が多いということなのですが、外国人旅行者が毎年増えているデータもあり、タクシー会社もこのような客層にもサービスを展開するため、乗務員のコミュニケーション能力を高める教育を充分行う流れになっているのでしょう。
このように、しっかりと会社側が教育プログラムを設けてくれているという事はなかなかの高待遇であり、都内を拠点とする拠点のタクシー会社の特徴になっているのです。
大手4社がそろうから高待遇
ここにはタクシー業界大手と言われる4社が揃っています。この4社は日本交通、国際自動車、大和自動車、帝都自動車です。これら大手は所有車両の多さや売上の面でも、会社創設からの年数の面でも、同業者の遥か上をいっています。
そのため歴史があり、日本のタクシー業界を牽引しているといえるでしょう。これらが集中しているわけです。そのため、タクシードライバーになろうと思う場合に、この4社の給料や待遇を参考にすると良いでしょう。
とりわけ大手が参考になるのは、福利厚生の面でも待遇が良いという点です。
例えば日本交通は年齢性別を問わず積極的に採用しており、国際自動車は女性ドライバーの働く環境改善への取り組みがなされています。また大和自動車は、新卒だけでなく中途採用も積極的に行っています。
さらに帝都自動車は経験学歴性別を問わず、様々な背景の方を採用しています。また各社、正社員としての働き方だけでなく定、時制のアルバイトやパートといった待遇を用意しています。
また研修中も日当1万円を支給したり交通費の支給、二種免許費用の全額負担、乗務開始後数ヶ月は35万円から40万円の給与保障、寮の完備、地理資格や英会話など様々な資格取得のサポートが用意され、かなりの高待遇で乗務員を採用しています。
このような大手に就職すると、非常に安心して働けるようになるわけです。さらに準大手と呼ばれるタクシー会社もたくさんあります。グリーンキャブやチェッカー、京王自動車、飛鳥交通、東京無線、コンドルタクシーといったタクシー会社です。
これらは準大手と呼ばれていても、会社の規模では大手と負けていない会社もあります。それらも大手に習い高待遇で乗務員を採用しています。
そのため、タクシー会社は全体として高待遇といえるわけです。そのため、都内拠点のどの会社を選んでも高待遇で充分稼げるようになっており、自分に合った会社がきっと見つかるでしょう。