タクシードライバーの東京と大阪の平均給料
最終更新日 2021年3月8日
監修・著者 株式会社しごとウェブ 佐藤 哲津斗
タクシー会社に転職した場合、果たしてどれくらい稼げるのでしょうか。地域によって大きく収入が変わります。
そして、東京と大阪が最も稼げる地域といわれています。
この仕事は歩合制なので、収入は少ないのではないかと思われるかもしれません。
またドライバーによって売上が変わってくるので、歩合制による給料には格差が激しいのではないかという見方もあります。
では実際のところ、全国平均の年収はどれくらいなのでしょうか。それはズバリ、309万円です。この数字は厚生労働省による平成27年の調査結果です。
これは、各月25万円ほどの収入に当たります。全国の平均がこの数字であり、年齢別ではなく、全体平均としての数字でもあるため、これはそれなりに良い数字といえそうです。
20代の方でもこれくらいは貰える計算になるので、やはり悪い数字ではありません。しかしタクシードライバーの年齢を見ると、ほとんどが60代であり、また全国平均も60歳なので、20代の方にはあまり参考にならないかもしれません。
つまりこのデータは、平均以上働ける可能性を示唆するものです。それにタクシードライバーの仕事は、乗客に数多く乗車してもらって収入を得る商売なので、人の多い地域と人の少ない地域での年収の差は必然的に大きくなります。
そのため、都市部やイベント会場、観光地などで働くドライバーの収入は全国平均を上回くなり、田舎の方の動きが少ないところでは、全国平均を下回る可能性が高いでしょう。
さらにタクシードライバーの収入は売上を出して、給料に反映させる歩合制なので、努力してたくさん人を乗せた方にはそれなりの収入が入り、怠けて仕事をした方は低収入になるという実態があります。
そのため一概にはいえないものの、年収300万円前後となることはある程度の参考になるのではないでしょうか。これからタクシー業務を始められるエリアの人の多さや、自分自身の努力次第で、全国平均よりも稼そうなのかについて、推し量ることも可能でしょう。
都内の場合 平均は年収443万円
東京でタクシードライバーをする方は、平成28年の統計を見ると年収が443万円となっています。これは月に換算すると約37万円程となります。
決して少ない数字では無いのですが、都内の労働者平均年収は600万円を超えているので、平均以下の収入になっていることがわかります。
しかも稼いでいらっしゃる方でも600万円程度とのことなので、タクシードライバーとして年収1000万円稼ごうとするのは至難の業です。もちろん不可能ではありませんが、単純に毎日7万円以上の売上を出していく必要があります。
平均収入は毎日3万円程度の売上となっており、1000万円を稼ぐためには、その倍にあたる人を乗せて営業し続けることになるため、当然大変であり、勤勉さも求められるでしょう。
根気のいる仕事でもあるので、稼ぐのは簡単ではありません。とはいえタクシードライバーの平均年齢は60代です。
20代の方と違うのは、60代に入ると年金生活に入るということです。そのため、働いて得る収入の上限が定められてしまうため、全体としての平均を下げているともいえます。
そのため、これらのドライバーの年収を除外すると、東京における平均給料はもっと上がるという見方もあります。実際年収600万円を得ていらっしゃる方も多くいます。
そして単純にタクシー乗務員としての仕事は儲からないと考えるよりも、自分の年齢でどれくらい働けるのかを考えてみると、平均収入よりももっと稼げる可能性が十分にあります。
実際に人口が非常に多いところであり、常に人の流れがあります。これらの人を乗せ、売上を出し続けることによって、上限なく稼げる計算になります。可能性を多く秘めた東京での乗務は、稼げる場所であることに違いはありません。
府内の場合 平均年収は400万円
タクシードライバーは、乗客をたくさん乗せることによって収入に還元されていくシステムで成り立っています。そのため、単純に人口が多い場所では、都内のように稼げる場所になるわけです。
その点、日本における主要な都市の一つなので、人口も多い場所です。そのため、大阪で働くメリットは大いにあると言えます。統計を見ると、都内とそれほど変わらず平均収入は400万円であることがわかります。
しかし若干、東京の年収の方が高い事は気になるところではありますが、それでも各月33万円の収入になるので、十分稼げる場所といえるでしょう。これはもちろん、タクシードライバーとして働いていらっしゃる全ての方の年収を足して割った数字なので、判断には注意が必要です。
府内で働く方も歩合制であることがほとんどであるため、稼がない限り収入には反映されません。とくに平均以上稼ぐためには、地道な努力が求められることになります。ということは、それほど働いていないという方もいらっしゃることを意味しています。
そのような方の収入も反映されているので、地道に努力を続けるような方は、必然的に収入を上げていくことは十分可能でしょう。そしてたくさん載せれるだけの人口を抱えている地域であれば、十分稼ぐことのできる仕事なのです。
労働時間を、しっかり働くための時間として、適材適所にタクシーを人のいるところへ配備することで十分に稼げるでしょう。
ミナミや天王寺、梅田といった、人が数多く集まるような場所にタクシー業務の拠点を配置することで、平均年収の400万円を超えることは可能でしょう。
これも、色々な面を考慮してタクシーを走らせることが必要であり、大阪の観光地やビジネスパーソンが集まる場所を把握し、人を探すなど、様々な努力が求められる事は言うまでもありません。
タクシードライバーはいくらまで稼げるのか
タクシードライバーの仕事は個人差の激しい世界です。その理由は、歩合制で成り立つ世界であるという事が挙げられます。そのため、勤勉さが欠けるような方には向かない職種と言えるでしょう。
それとは逆に、勤勉に働ける方にとっては、努力に応じて稼げるような業界でもあります。全国平均は300万円程度ですが、その倍、また1000万円を目指して努力を続けることで、目標に近づくことは可能でしょう。
では、どのようにしたら、そのくらいまで稼げるようになるのでしょうか。それには当然ながら、タクシーに乗車される方が多くいなければなりません。都市部や観光地といった、人でごった返すような所を営業地とする事は重要です。
新たに転職を考える際には、都市部に引っ越す事も、高収入を目指すためには必要なことでしょう。そのために、寮を兼ね備えている会社も多いため、そのような会社に勤める事によって、集中して働くことが可能になります。
しかし、タクシー業界には様々な制約があることも確かです。そのため、1000万円よりも稼ぐために、様々なハードルがあることがわかります。
それはまず、働く日数が定められていることです。労働者を守るために、働き過ぎにならないように、月13日出勤までと定められています。もちろん一回の出勤時間は15時間程度と長いので、その時間に最大限働くようにすると、高収入の実現は可能です。
ただ、人を乗せて目的地まで向かい、さらに次のお客を探し、乗せてまた目的地へ向かう仕事は、ロスが多いという面もあります。それを踏まえ、出来るだけ効率化を心がけないことには、収入を増やしていくことは難しい事がわかります。
そして年齢に関係なく、歩合制で給料は決まる事を考えると、体力勝負といった側面もあります。体力に自信があり、長時間車を集中して走らせられるような方は、それだけ収入がアップします。
タクシー業界は60代が主ですが、一般的に若い20代、30代の方の方は体力では勝っているので、その体力を武器に精力的に働く事によって、800万円を超える収入は実現可能と言えるでしょう。
未経験者はどれくらい稼げる?
転職を考えている方のほとんどは、タクシードライバー未経験者です。
そのような未経験者がいきなり働き始めて、本当に稼げるものなのでしょうか。結論から言うと、経験者の稼ぐ金額にすぐに達することは十分可能と言えるでしょう。
その理由として、年功序列や勤続年数に影響されない世界であるという事が挙げられます。コツコツ人を乗せていって売上を出し続けることで、例え未経験者であっても全国平均300万円はすぐに達成できてしまうでしょう。東京や大阪などの都市部での平均年収400万円程度も、それほど困難な目標ではありません。
またタクシー会社は、そのような初心者の受け入れ態勢を整えており、初めての方への講習もしっかりと充実させています。ホームページを見ても、未経験者の転職率が高いことがわかり、そのうえ会社側で歓迎しているところがほとんどです。
それだけ、新卒から学校卒業後タクシーの世界に踏み込む方は少ないという実情なのでしょう。新たに転職する方を取り込んで、会社の運営を賄おうとしている構図が伺い知れます。
そして二種免許取得費用を会社側負担にしていたり、地理面や接客講習などにも力をいれていたり、人材育成には惜しまない状況となっています。
入社後2週間からひと月は、このような講習に時間を充てる仕組みが整備されており、働くためのコツやポイントを十分に習得した上で実際の業務に入れるようになっています。
このような点は、転職先として選ばれる業種になっている理由と言えるでしょう。業界全体で働きやすい環境が作られており、未経験者でもすぐに稼げることを考えると、転職先としてタクシー乗務員を選ぶ事には十分にメリットがあるといえます。
また60代から始める方も多いので、年齢に関係なく稼げる点も、未経験者が踏み入れられる業界と言えるでしょう。
効率良く稼ぐためには?
未経験者、経験者、都市部、また地方であっても、稼ぐための方法を頭の中にインプットされている事によって、どこにいても充分稼ぐことは可能です。タクシードライバーにとって稼ぐために欠かせないのは、情報であると言えます。
この情報をしっかりと活用する事によって、稼げる場所での業務が可能になります。例えばイベント会場の把握だけでなく、イベントがある日付や時間帯、イベントの内容や来場者の年齢や家族構成といった細かな情報は非常に重要で、これらを普段からリサーチするようにします。
近くに駅がある場合に、イベントが始まる時間帯の電車の時刻表などは非常に重要な情報でしょう。
その情報によって、タクシーを走らせる場所も見えてくるようになります。また都市部では、終電の時間帯も要チェックで、これは駅ごとの時間を把握すると良いでしょう。
その辺りの時間帯に車を駅に向かわせるようにして、乗客を確保します。飲み屋街も重要です。夜の時間帯で稼げる場所のポイントであることは間違いないからです。
中には乗せた乗客が遠方に向かうこともあるので、向かった先から乗客を乗せずに戻ってくることにならないよう、その周辺の人が集まる場所のリサーチもしておくとよいでしょう。
それによって、A地点でお客を乗せ、着いたB地点でさらにお客を乗せてA地点まで戻れるので、効率的に稼げるようになります。効率化を目指すときは、空乗車の時間は無駄です。
そして短い距離でも構わないので、出来るだけ常に乗客を乗せる時間を増やすようにしましょう。タクシー業務には流し営業と付け待ち営業の二種類があるので、併用して行う方法も効率的と言えます。
やはり人間なので、長時間運転を継続していると神経を使う事になり、疲れてしまうのは当然です。流しを活用し、疲れたら人が集まる駅やイベント会場などで付け待ちをして、上手に休みを入れつつ、仕事を切らないようにするという工夫も重要です。
タクシードライバーはボーナスが出るの?
歩合制が多いタクシー業界なので、ボーナスは出ないのではないかと思われるかもしれません。しかしタクシー業界には、賞与が年3回から4回ほど出る会社も多数ある状況です。
しかしこれは、サラリーマンのようなボーナスとはちょっと正確が違うので、注意が必要です。同じ会社に勤めていても、人によっボーナスが大きく違うこともあります。
なぜかというと、タクシー業界のボーナスはドライバーの売上の一部を3、4ヶ月プールした金額になることが多いからです。これには、会社にも都合が良い仕組みであり、採用している会社が多数存在します。
個人の売上が月60万円だった場合、歩合率が60パーセントで36万円の給料反映となるのですが、さらにその1割、つまり3万6千円は会社にプールされます。それを4ヶ月貯蓄されると、14万4千円になります。これがボーナスになるわけです。
そのため、当然毎月の売上が120万円の方はボーナスも二倍になるわけです。このような算定の仕方になっているのでボーナスは自分の頑張った成果の現れになる色合いが、非常に強くなります。
歩合がメインのタクシー業界なので、東京や大阪においても努力次第で稼げる業界である、といった側面がこのようなボーナスにも反映されていることがよくわかります。
それによって、歩合率やプール率が幾らになるのかによって、給料にもボーナスにも変化が出ることも読み取れます。
これを踏まえ、プール率の割合を会社がどう設定しているのかについては、転職希望者が最初の段階でしっかりと把握すべきでしょう。
慈善活動のためにタクシードライバーをするわけではないので、稼いだ分だけ収入に反映されるようにしたいものです。