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農家を辞めてタクシーハイヤーの仕事をはじめました

最終更新日 2021年3月8日

監修・著者 株式会社しごとウェブ 佐藤 哲津斗

これまで20年近く親から譲り受けた農業をヒソヒソとやってきたのですが、段々と体力が足りなくなり、経費ばかりかかるようになり農業では食べていけないと察してからはタクシードライバーに転職しました。これといって生かせるスキルもなかったのですが、車の運転はできたのと、知人の紹介があったので地元のタクシー会社にて働くことになりました。

 

近年農家を辞める人が増えている

経費増大で利益が下がっている

私がやっていた農業で、売上はほとんど変わらないのに、経費が高くなってきました。燃料、肥料などかかるお金が増えてしまい、利益が相対的に減って苦しくなってきました。完全に苦しくなる前に家計簿や帳簿の金額の動きから予測して潮時だと判断したので転職を決意しました。

 

それでも農地はあるので、完全に趣味として手を加えない農業を継続しており、自前の昔ながらの直売所のようなものを設けて、規格外の野菜を売って妻の副業、お小遣い稼ぎのような趣味のようなものとしてやっています。

 

タクシーに慣れるのは簡単だった

それまで農家の仕事は毎日同じことを繰り返し、毎年似たようなことをし続けるだけだったので正直飽きていました。土作りもやってしまえばあとは水やりや追肥で栽培できたので暇でしかありませんでした。それでも追加で別の作物を栽培するほどの空間的余裕はなく、売上も伸びずという状態でした。

 

タクシーの仕事は最初に二種免許を取るのに苦労しましたが、毎回お客さんを乗せて移動するだけでよく、物言わぬ野菜や天気相手に仕事をするのに比べたら非常に楽で、新鮮で、楽しいです。目的地まで送り届ければいいだけで、利用者も地元の方ばかりなので不安なことがほとんどありません。

 

知人を乗せることも多くて楽しい

長年、地域で野菜を売ってきたこともあり、タクシードライバーになった事を知人に伝えるとあえて配車依頼をしてくれる人もいます。駅や病院などでもわざわざ私を氏名で呼んでくれることもあり、知人を乗せながら雑談しながら目的地まで送り届けるという感じの働き方ができていて楽しい限りです。

 

農業は基本的に大変すぎるというイメージを持たれますが、タクシードライバーを楽しそうにやっている姿を見てもらって、知人も友人も仕事がなくなったことに対する落ち込みなどを心配してくれていたようですが、あっさり納得してくれています。タクシーも大変だというイメージが強いようですが、農業に比べると楽なのは事実です。

 

トークがいまだに慣れない

車内での接客トークが苦手

これまで私は野菜に話しかけてきてばかりだったので、人との会話で何を話したらいいのか分かりませんでした。雑談をしろと言われても、話の引き出しがないので話すこともなく、最初は苦戦しました。今は、地元のネタ、ニュースの情報、天気の話などをできる余裕が出てきて、お客さんの雰囲気から放っておいてほしいのか、話をしたいか分かるようにもなりました。

 

人によっては車内で移動中に話しかけないでほしい人もいるようなので、察して静かにドライバーの仕事をして終わることもあります。話して欲しいときには基本的に姿勢が前のめりで、話してほしくない人はスマホをいじったり、背もたれにもたれかかっていたりするので、だいたい行動でも分かるようになりました。

 

問題はお客さんの話が難しすぎて話が通じない時があることです。少し若い人のやっている動画やブログなどの話は全くわからないのですが、そういう世界があると頷くだけで、共感や理解までできないためどこか理解したいという思いが強くでてしまいます。こうした所は慣れるしかないようなので、時間をかけていこうと思っています。

 

ずっと座っているのが時々苦痛

これまでほぼ立ち仕事で、日光、雨関係なく外で農業をしてきたのが、急にタクシーというエアコンもあり、夏も冬も適温で、密閉された室内を主な職場とする働き方に変わったので、腰や背中に負担がかかるようになりました。最もきついのが膝で、運転する時にずっとアクセスやブレーキに足を置いておくため、どうしても疲れとむくみが出ます。

 

デスクワークをするOLやサラリーマンがずっと座って作業するのは楽そうだなと思っていた節があるのですが、今はその大変さを身をもって学びました。デスクワークではないですが、タクシードライバーもずっと座って仕事をするため、体のケアが何よりも大切だと感じています。

 

タクシードライバーの先輩いわく、慣れればなんてことはないとか、休憩時間は車から出ているとかちょっとの工夫でだいぶ楽になるとのことですが、運動をほとんどしなくなるのもあって、体力が落ちていくのを感じています。不健康ではないですが、意識していないと運動神経や体力はタクシードライバーをするのに必要な最低限の状態になってしまいそうで不安です。

 

一番稼げるのはイベントがある時

タクシードライバーの仕事をしていて最もおいしいのは地域の文化センターでイベントがある時、毎月のお給料が出る前後の日、受験や夏休み、修学旅行など観光関係のイベントがある時です。この時はお客さんも財布の紐が緩んでいるのか、どんどんタクシーを利用してくれて安心してのんびりと稼ぎ出せます。

 


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