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介護生活を終えてお世話になったタクシーの仕事の道へ

最終更新日 2021年3月8日

監修・著者 株式会社しごとウェブ 佐藤 哲津斗

長年親の介護をするためにタクシーを頼って生活していました。車は持っていたのですが、なにせ体力が足りなくなり、親の付き添いでいないといけないので介護タクシーを頼っていました。その親も今はお墓に入って私自身の生活は落ち着いたので、お世話になった介護タクシーの仕事をしてみようと思いました。

 

介護タクシーで社会貢献できると思った

利用していた介護タクシーの道へ

介護の関係で、仕事はしてはいたのですが疲れ切ってしまい、介護の経験をそのまま仕事に活かしつつ、少し心を休められるような働き方をしたいと思って選んだのが介護タクシーでした。車の運転だけでよく、納期やギリギリのラインで働かないといけないこともないので、個人的には安心して働ける環境です。

 

介護経験が合ったのと、車の運転はできたので、2種免許を取得して、タクシードライバーの仕事に進みました。正直に言うと、それくらいしかできることがなかったというのが本音ですが、給料はかなりの額になり、自信を持って自慢できる仕事です。事前に予約が入るので、そこに車を向かわせるだけの比較的ストレスが少ない仕事です。

 

介護タクシーは行政の支援があったり、金銭的に公的サービスでお金を賄うような側面もあるので、お客さんの懐事情はあまり気にせずに働けるというのも少し私個人的にはやりやすい点です。この仕事では介護そのものはあまり必要ではなく、せいぜい高齢者やサポートが必要な方を座席まで安全に案内するくらいです。介護を長年やっていた私としては何も難しいことはありません。

 

給料は毎月35万円ほど

あまりおらっている金額の話をするのは良くないかもしれませんが、前職は給料は25万円ほどでしたが、タクシー会社に勤めてからはお給料は毎月30万円を簡単に超えるようになりました。固定給と歩合給があり、固定給は18万円ほどなのですが、歩合給が同じくらいの金額になるので個人的にはかなり美味しい仕事です。

 

介護は既に身についていて呼吸をするように動けて、車の運転も全く問題ない上に、長時間座っているのには慣れているので、苦でもありません。これで毎日朝に出社して夕方には帰宅できて、スーパーでは半額を漁れるくらいの時間には自由になっているので飲み屋巡りができるくらいです。

 

生活はかなり余裕があり、一時期購入した家電のローンもすぐに返済が終わって、珍しく貯金もできている状況です。働き始める前はそこまで稼げると思っていなかったので、現状には何の不満もありません。一時期心配だった職場の人間関係も、既に交友関係も築けてストレスなく働けています。

 

タクシードライバーの多くは前職でなにか抱えている方や、転職、リストラ経験者である割合が多いようで、私のようなものにも理解を示してくれます。運転中や仕事中はそれぞれに集中していますが、駅での待機中や事務所での待機中、暇な時には缶コーヒーでも飲みながら雑談したり、スマホゲームをして待っていたりすることもあります。

 

一番大変なのは介護が必須な場合

介護も一緒にしないといけないのは大変

介護に慣れているとは言え、病院内まで案内し、診察が終わったら車まで再び案内するような業務がある場合はやはり心労があります。怪我をさせてしまうと大変ですので、気を遣いますし、高齢者の歩くペースに合わせるのはやはり疲れます。親の介護で既に慣れっこですが、それでも大変なものは大変です。

 

また、一番ストレスになるのが高齢者のお話を聞かないといけないことです。乗り合わせているときだけでも同じ話を何度もし、毎回依頼してくれる時にも似たような話を繰り返され、相槌を打つのも疲れてしまいます。激しく嫌になることはないですが、やはり疲れます。特に運転中に意見を求められたりすると反応できないこともあるので大変です。

 

中には忘れ物をする方もいるので、迎車して家を出る前には必ず忘れ物がないか、保険証は忘れていないか、メガネや老眼鏡はあるか、確認のコミュニケーションを取ってから出発するようにしています。それでも忘れる人がいるので、そのへんはどうしようもないですが、忘れて引き返すときでも笑顔は絶やさず、深く考えずに仕事に徹して乗り切っています。

 

透析患者の移動はどうしても気を遣う

高齢者の症状によっては、車の運転に酔って体調を崩す人もいます。そのため、そうならないように、加速、停止、カーブでの走り方などはかなり慎重にしています。それでも貧血気味になったり、少し車酔いする方はいるので、車の中のにおいや快適さにはかなり気を遣ってメンテナンスしています。

 

私自身は車の中のニオイに酔うことが多いので、できるだけアットホームな感じのにおいにし、消臭スプレーなどはできるだけ使わないようにし、無臭を心がけています。毎回仕事を終えた後は加齢臭が車内に残ることがあるので、しっかり風を通してニオイを消し、介護タクシー独特のメンテナンスにも気を抜かずに対応しています。

 

最も気を遣うのは透析患者で、病院に向かうときにはあまり体調がすぐれない状態になっているので、少しでも早く、安全に病院に到着できるようにルートの工夫もしています。寒い日は事前に車内の温度を温め、暑い日は快適な温度になるように調整しています。こうした地道なケアもしながら行うのが介護タクシーです。

 


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