タクシー転職して後悔しないために他者に学ぶ教訓
最終更新日 2021年3月8日
監修・著者 株式会社しごとウェブ 佐藤 哲津斗
タクシードライバーに転職しても必ず成功できるとは限りません。ここでは、タクシー転職をして後悔したパターン実例を複数まとめました。事前に起こりうるトラブルも把握して、転職に失敗しないようにしましょう。
意外と休みを取りにくい
タクシードライバーの1カ月のうちの勤務日数は少ない場合は13日程度で済みますが、GW、クリスマス、夏休み期間、年末年始、年度末など世間一般では休みになるタイミングで休むと売上がガッツリと落ちてしまいます。
タクシードライバーはサービス業の方々の仕事と同じで、みんなが休んでいるときほど稼ぎ時になるため、家族がいる場合は一緒に家族旅行に行くタイミングを合わせられない可能性があります。会社によっては家族の休みに合わせられると求人に書かれていることがありますが、合わせていると売上が落ちて収入を得るチャンスを失います。
クリスマスや年末年始は特に稼ぎ時なので、家族、パートナーの理解が得られていなければ、家族のすれ違いが起きるかもしれません。実例として、タクシードライバーは家にいる時間が少なくなるため、仕事中に浮気をされてしまったとか、奥様がこっそり風俗で働いていたとかなかなかにえげつない事例を見かけることもありました。
酔っ払いが車内で吐く
タクシードライバーができれば当たりたくないのが酔っ払いのお客さんでしょう。ただ気持ちよく寄っているだけならばまだ許せますが、今にも吐きそうで、意識もギリギリない状態で会計もうまくできないような状態だと、介抱するだけでかなり時間を奪われます。
フラフラしているだけならばまだ良いですが、アルコール中毒状態のお客さんを降ろして放置する事になり、そのまま亡くなってしまったりすると運転手に責任はなくても気持ちの良いものではありません。車内で嘔吐された場合もクリーニング代などを請求できますが、その手間も面倒なものです。
タクシードライバーはひどくお酒に寄っている人を載せなくてよいという決まりがあるので、これを知っていれば酔っ払い関係でトラブルに見舞われることはないでしょう。
勤務時間が長くて大変
タクシードライバーは一度に18時間から20時間ほど勤務することになります。最近は普通のサラリーマンと同じように日中働いて夕方以降は休むスタイルでのタクシードライバー勤務もできるようになっていますが、長時間勤務する場合にはどこで仮眠をとるか、どこで体を休めるかが重要になります。
運転手をしていて大変なのは以下の部位に蓄積する疲労です。
- 足首
- 膝
- 腰回り
- 股間のムレ
- 肩と腕
- 目
- 首
- あいさつ
- 行き先確認
- 道中の雑談
- 到着直前のやりとり
- お会計
長く運転をしていると、長時間座って作業をしているのと同じになるため、その疲労から足首や膝にも疲れがたまり、運転のパフォーマンスが落ちて、事故を起こしやすくなります。さらに目の疲れがたまると不注意になり、事故を起こす可能性も高まります。
タクシードライバーの長い勤務時間は慣れればなんてことはないですが、不規則にはなるので慣れと休息の工夫が必要です。体に良いという働き方ではないので、心臓系の病気、高血圧、糖尿病の症状がある場合にはあまり向いていないかもしれません。
トークが続かず辛い
タクシードライバーの仕事では、お客さんとのコミュニケーションが必ず必要になります。
接客としてやらなければいけないのは、ざっと分類して5つのシーンに分かれます。最も不安になるのが到着寸前のお客さんの言動です。どこで止めてほしいとか、もう少し先を曲がってほしいとか、ルートとは異なる部分で希望を急に言われる場合があります。
当然お客さんが行ったとしても急停車はできないので、お客さんの言うとおりの場所に止まれない可能性があり、そのちょっとしたことが苦情につながることもあります。お客さんとしてはメーターの金額が心配で少しでも節約しようとしますが、ドライバーとしてはそれどころではなく、できれば稼ぎたいと思いつつ、安全に無事故で停車しないといけません。
理想は停車直前にメーターを止めてしまうことで、こうすることで面倒ないちゃもんを付けられなくなり、お客さんもメーターの不安がなくなります。道中の雑談は最悪できなくてもなんとかなりますが、運転しながら話すことが強制されるため、対応できないとタクシードライバーは務まらないでしょう。
想像より収入が伸びない
あちこちのタクシードライバー転職サイトで書かれていますが、稼ぎが劇的に良くなるというのは半分ウソで、半分事実です。タクシードライバーの給料は固定給と歩合給が合わさったものになります。そのため、歩合給で稼げないと収入が上がるかどうか確定しません。
固定給が20万円ならば生活はその範囲内に収めておき、歩合給でプラスで稼げる分は貯金やプラスアルファの収入として扱わないと危険です。歩合給は毎月変動する収入なので、そこに頼りすぎると入ってこなくなる時もでてきます。
シーズンによってはタクシーがほとんど使われない場合もあり、地域によっては全く稼げません。イベント会場が近い所、病院への往復が多い地域など働ける地域に左右される事も多いため、収入が思い通りに伸びない可能性を事前に考慮しておかないといけません。
後悔しないためにリスクを考えておいて
タクシードライバーになる場合にも、他の仕事に就く場合にもリスクは必ず存在します。タクシードライバーには、タクシードライバーの悩みや欠点が存在しますので、それを理解した上でタクシー会社への転職を検討してください。